活字中毒者の乱読日記 印象批判100%
松園万亀雄編『性と出会う』
松園万亀雄責任編集『性と出会う―人類学者の見る、聞く、語る』
講談社、1996.2、282p、1700-

松園万亀雄/須藤健一/菅原和孝/栗田博之/棚橋訓/山際寿一

序論  性研究は何をめざすか
    「縦横人類学」と性の語り
    欧米人類学のなかの「性」
    日本では性をどう扱ってきたか
    フィールドワークの困難さ
    「性の此岸」を人類学的課題に
Part1 体位
    女性中心のオセアニア社会
    欧米流のバックスタイルはよくない体位
    固有の体位と外来の体位
    日本の男はおとなしい性
    「男が女を食いつくす」性
    夫婦はどこで性交するか
    人間と動物を分けるもの
    妊娠時の性交で双子が
    処女性に価値はあるか
    クックのパーフェクトな性
    カメとニワトリ
    若い男女のセックスゲーム
    性交過多で「眠りについたペニス」
Part2 前戯
    ある猥談の発端
    ラトロンガ流前戯作法
    前戯は人間に特殊な行為か
    前戯のない社会の性交
    ヘアピンをした女には性欲が萎える
    「ペニスチェック」の儀式
    男女差別の極端な社会の性
    性的能力が男の価値を決める社会
    クリトリスのない女性の快感
    乳房には無関心
    なぜ性器変工をするのか
    地域が変われば、猥談の中身も変わる
    「このひとまるでアヒルだわ」
    「あの男は、オンドリなみだ」
    クックの「パブリック・プライバシー」
Part3 婚外性交
    「私たち心臓の血が出会った」
    キーワードは「放っておく」
    名ダンサー、カローハの場合
    ダンスに興奮する女性たち
    「クシャミ薬の儀式」
    姦通が発覚すれば破産する社会
    愛人関係を隠すとみんな死に絶える
    姦通をめぐる暴力沙汰
    ザークの根底に見えるもの
    ハームレスピープルの素顔
    不妊男が公認する妻の姦通
    夫は妻の姉妹と、妻は夫の兄弟と
    流動的な社会での恋人関係
    ある愛妻家の物語
    妻に姦通された愛妻家の憂鬱
    ブッシュマン流の問題解決法
Part4 性的挑発
    「お医者さんごっこ」と大人の反応
    女のやさしさとこわさ
    性欲なき男社会の「低エネルギーシステム」
    性否定社会での姦通事件
    初回から荒れ模様の姦通裁判
    次第に明らかにされる真相
    姦通男をこらしめるための喧嘩作法
    ふしだらな妻をもった男の困惑
    男たちの媚薬願望
    女が男を挑発する究極の極意
    ミクロネシアの秘伝「惚れ薬」
    女たちの「猥歌」と男たちの「バナナ踊り」
    日本語まじりの歌にこめられた女の気持ち
    タヒチの夜ばいとプカプカの夜ばい
    夜ばいに遭遇した人類学者
    昼と夜で一変する女たち
    「女護ヶ島」の男性観
コラム ヒトの性はサルとどこが違うのか
    フェラチオはヒトの専売特許か
    性ホルモン支配からの逸脱
    二種類ある類人猿の性行動
    ヒトはなぜ日常的に性を営むのか
    遊びの快楽と性の快楽
    社会を作ったヒトの性交渉
Part5 同性愛
    「女」は危険な存在である
    「フルート」の守護者
    精液中心主義社会
    夫婦間の性交は必要最小限に
    「少年妻」
    「これは悪魔の教えである」
    「聖なるフルートを吹く」
    子孫繁栄につながる同性愛
    儀礼的同性愛と性欲
    「女写し」と「マフ」
    同性愛の二つの流れ
    男女対立の構図の背後にあるもの
    ファスの女の一生
    好きあった男女の問題
Part6 獣姦
    獣姦のための物理的前提
    ある裁判の記録
    動物のランキング
    新参の動物ほど劣等 
    獣姦するのは男性だけか
    マスターベーションとの関係
    獣姦は性の代替物か
    人間と獣姦の歴史
    代理夫への謝礼
    女が女を娶る女性婚
    女性婚にも「離婚」がある
    「冗談関係」と「忌避関係」
    親子の忌避関係
    常識ではわからない性の世界
あとがき
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目次書き過ぎ?(笑
ここでの性現象とは、性器結合もしくはその代替行為、
およびそこにいたる過程とその結果に関連する社会文化現象、
という前提のもとの、ちょー真面目な対談集。
オセアニアとアフリカを中心に、それぞれにフィールドでの
見聞から話題を披露して、それにコメントしあう形式で。

それぞれの社会でなにが「性的」かは事前にはわからないこと、
また性とは激しく個人的な営みでもあること、などへの配慮もさすが。
10年ちょっと前にこれかー、という感嘆する気持ち。
その後、これほど水際立った学際研究はあるのかな(笑。
残念ながら、性が此岸にある状態は、未だ続いている気がするな。
巻末の顔写真、みんな若いなー、当然だけどなー(笑。

20090415借
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