活字中毒者の乱読日記 印象批判100%
朔ユキ蔵『セルフ』第1巻
朔ユキ蔵『セルフ』第1巻、小学館、
2008.12、202p、514-


国木田陽一、24歳、図書館に勤めている。
普段の生活に大きな不満はない。
かの女の有加は、大切にしたいと思っている。
でも座右の銘は「人間はみんな性器のドレイ」。
人間には知恵も理性もあるのに、
気持ちよさを求めるために蛙のような愚かしい姿になる、
自分にももちろん肉体的快感はあるが、
相手の奥深さにはかなわない。
12歳の初体験から12年、実感し続けることがある。
俺は、かの女たちの性器のドレイだ。
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今まで1回もオナニーをしたことがないという、たぶん
稀有な(笑)人物が、今まで入らずにいたその世界に
模索しつつ分け入っていく。

いまさら人には聞けず、詳細はネットで検索。
登り棒にぶら下がって股間をこすりつけてみたり、
プールの排水溝に吸い込まれてみようとしたり。
でも実際にかれにそれを可能にさせたのは、
同じ職場の気になる同僚の私服姿、というのがいい(笑。

生真面目そうな主人公が、無表情に淡々といろんなことを
するところがコミカル。そのコミカルさに笑ってしまって
「バカだな〜」と読むこともできる。
しかし、快楽を自らのものとし、自らの心と体だけでもって
より高みへ向かって精進する姿は、ある意味崇高ですらあり、
「俺の体は今、俺のものだ!!」(162)という叫び(心の)は
近代的肉体からの脱却、の嚆矢なのかもしれない(ほめすぎ?)
だって、この「俺」の性別を女性だと仮定したならば。

絵的には、なんかやっぱり朔ユキ蔵、背景が弱いと思う。
なんかときどき「おっ」と思う構図があったりもするんだけど、
コマ運びは全体に冗長だと感じる。
エロ出身だとしても、やっぱそこは書き込んでいこうよ!
と勝手に盛り上がるのでした。
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★★★
2009.2購入
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