活字中毒者の乱読日記 印象批判100%
デビッド・フリードマン『ペニスの歴史』
デビッド・フリードマン著、井上廣美訳
『ペニスの歴史 男の神話の物語』
原題:A Mind of Its Own - A Cultural History of the Penis
原書房、2004.11、424p、2800-

第一章 悪魔の杖 キリスト教が生んだ神話
第二章 シフトレバー 啓蒙の時代が生んだ神話
第三章 ものさし 「黒いペニス」という神話
第四章 葉巻 フロイトが生んだ神話
第五章 破城槌 フェミニズムの時代の神話
第六章 割れない風船 勃起産業と新たな神話


ペニスをめぐる文化史。
主に西欧の人間(というか男性)が、その、おのが器官を
いかに理解し、受け入れ/受け入れられず、自文化による意味を付与し、
それにとらわれ、迷妄の時代を過ごしてきたか(笑。
みなさん苦労なさってきたのねえ(笑。
そうか、興奮したときに腎から吹く風が勃起の原因か…
まったく意味不明でコントロール不能だった器官は、20世紀後半に
ようやくそのメカニズムを明らかにされ、結果薬物によって自在に
扱える部分となった。
コントロール可能な肉体としての器官に貶められても、
文化による過剰な意味づけは今も健在。
結局かれらは、なんらかの文化バイアスを通さないと、その器官について
考えることも、受け入れることもできないらしい。
今も昔も、そこには神話のヴェールが厚く垂れ下がっている。

ペニスだけではなく、睾丸や前立腺も含めた男性生殖器全般に
言及されることも多く、そこんとこ、もう少し自覚的に区別してほしかったな。
おそらく、射精する器官であるところのペニス、というものが
重要なのだろうけど、そこと勃起することとの関連もちょっと曖昧。
表象としては勃起=射精ではないようにも思うんだけど、
この点については個人的に要検討。

20080610借
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