活字中毒者の乱読日記 印象批判100%
石川元『隠蔽された障害』
石川元『隠蔽された障害 マンガ家・山田花子と非言語性LD』
岩波書店、2001.9、274p、

はじめに−個性は素敵、個性は残酷
第1章 山田花子との出会い
第2章 精神分裂病と描画
第3章 山田花子の生涯
第4章 「裏問題児」としての過去
第5章 山田花子と「17歳問題」
あとがきに代えて


1992年5月24日、都内のマンションから投身自殺をした
漫画家、山田花子。
雑誌「ガロ」の追悼特集で、山田の父は、山田が精神分裂病
(元・統合失調症)と診断され、精神科に入院していたことを
寄稿していた。
著者は現役の精神科医で、自殺の予告が描画に表れるという研究を
していたこと、精神医学における「家族」の専門家であったことから
マスコミの取材を受け、山田の存在と作品を知る。
特に分裂病患者の描画の研究をしていたために、山田の発症は
実際に病院にかかるよりも早い時期だったのではないかと気づく。
さらに山田の作品を読み、かの女の生活歴を調べるにつれ、
これは内気で社会的に生きにくかった女性が、分裂病のイキオイで
自殺してしまったのではなく、個性として見過ごされてきた
非言語性LDという性質が、人生の中でストレスを増加させることになり
結果分裂病の発症を引き起こし、かの女をして死に至らしめたのでは
ないか、という仮説を持つ。
で、山田の作品や遺族、周囲の人の証言や日記からそれを証明していく。

ぶっちゃけ、その作業の細かさに気が狂いそうだったけど(笑、
特に第2章あたりがとても参考になった。
最近、自閉症スペクトラムにおける、高機能自閉症に興味があるので、
パラダイムが異なるとはいえ、発達障害についても興味津々。
人生の早い段階からかの女が非言語性LDであるということがわかっていて、
適切な対処を受けることができたら、このような人生を山田は
歩まなくてもよかったかもしれない可能性もある。
そういった児童をソートする意味も含めたテストの重要性を同時に
説くあたり、さすが現役の臨床家。

ふーん、遺族ともめてこの本は絶版なのか。
まあ、そのことと、この本がなかなかに興味深いということは関係ないな。

20080624借 1日で読んじゃった…
この本について、よくまとめてあるはてなを見つけたのでURLをペースト。
はてなdiary「児童小銃
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