活字中毒者の乱読日記 印象批判100%
なだいなだ『神、この人間的なもの』
なだいなだ『神、この人間的なもの 宗教をめぐる精神科医の対話』
岩波新書806、2002、218ページ


この、心そそるタイトル!
なだいなだの対話ものは、『くるいきちがい考』から楽しく読んでる。
70代に入った著者が、同期でクリスチャンの精神科医と、
人間にとって宗教とは何か、いわゆる3大宗教の教祖はどんな人間だったか、
について、自分たちの人生を振り返りながら対話をする。

現在精神的な病とされるものの多くは、場所や時代によっては病とは
認識されないものであった。社会が、その少しの尋常ならざる言動を
許容できるものであったなら、その言動に病名はつかない。
例えばそれは、狐つきであるとか、神おろしであるとか、そういった
名称を与えられる。その言動が、その人の特性であると認識されれば
例えば魔女として、ユタとして、あるいは教祖として受け入れられる。
このような社会的な装置があると、今なら「患者」になってしまう人の
多くが、その装置のもとで生きていくことができるだろう。

(もちろん、何を病とするかは、時代によって大きく異なり、
今なら病気とはされないものが、治らぬ病とされて差別の対象に
なっていたりもしたのだ、ということを失念すべきではない。)


うん、とてもおもしろかったな。買ってもいいかも。
買うなら『民族という名の宗教』もあわせて買うようにしよう。

★★★★
200605借
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