活字中毒者の乱読日記 印象批判100%
次の場所へ行くために:よしもとばなな『彼女について』
よしもとばなな『彼女について』文藝春秋、2008.11、222p、1190-

いとこの昇一が、叔母の遺言でわたしの部屋を訪れた。かれと会うのは10何年ぶりだろう。母と叔母が仲違いをしてから、長らく没交渉が続いていたのだ。いつでも便りにしてくれていいと、幼いあの日、叔母はわたしに連絡先を渡してくれていた。亡くなる直前まで、叔母はわたしを心配し続けてくれていたという。
でも、そんなにされなくても、わたしは両親がいなくなってからもちゃんと生きてきたし、一応恋もしたしセックスもしたし、定職にはついてないけど。でも、昇一が、叔母の思い出をたどる旅をするというのなら、いいよ、わたしもつきあってあげるね。
いとことの、思いがけないお祭りのような、祝福のような数日間の記録。
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そして思いがけないオチ。うまい。ある意味、一人称だからできる技巧か。
「そこまで説明しなくてもいいのにな」ということまで、懇切丁寧に書き込んでくるのは「よしもと」になってからの特徴かもしれないけど、「似た話、他でも読んだ」って気分にときたまなってしまう部分があるのが惜しい。よしもとの小説、ほぼ全部読んでる人間がいるってことをもっと自覚してほしい(笑。
ただ今回は(も?)、設定がかなりぶっ飛んでいて、失速せずに読了できた印象。

20110105借★★★
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