活字中毒者の乱読日記 印象批判100%
中山咲『ヘンリエッタ』
中山咲『ヘンリエッタ』河出書房新社、2006.11、190p、1000-

1 家でお花見をする方法
2 理由のわからないことども
3 雨についての賛成論
4 夏が得意な人
5 二人のあきお
6 英語を話す日本人
7 お魚危険注意報
8 わたしのとっても個人的な新世界突入
 
属性で呼ばれないことごと。建物がヘンリエッタ、母はしずえさん、父はあきおさん。もし、まなみの目に、このように世界が見えているとしたら、このように個別にものごとを認識しているとしたら、それはとてもしんどいことだろう。何につけ、わたしたちは世界を、自分の内面をカテゴライズして、名前をつけて、枠として、まとまりとして認識するから、どうにか生きていけるのだ。
水のような空気のヘンリエッタに守られて、みーさんとあきえさんに肯定されて、牛乳屋の秋緒くんに認められて、まなみは少しずつ、外に踏み出していく。その、ゆるやかな再生のプロセス。ちょっと変わった人たちの、いとしい日常。
思いがけず、佳作に出会うよろこびを、久々に堪能できた。ちょーっと一時期の江國香織のフレーバーを感じるけれど、それだけではない、個性の片鱗。

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★★★★20101110借
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