活字中毒者の乱読日記 印象批判100%
墨谷渉『パワー系181』
墨谷渉『パワー系181』集英社、2008.1、129p、1300-

パワー系181
外伝―測量男の手記



7年勤めた「準大手パソコン周辺機器メーカー」を退職し、自宅のあるマンションの2階にもう1室部屋を借りた梨香は、その部屋でとある仕事を始める。180cmを超える身長に、筋肉でボリュームをつけた圧迫感のある身体を、シルバーの衣装に包み、ヒールの高い、黒いレザーのブーツを履き、赤いソファに座って脚を組み、客を待つ。
友人の葉子が心配するような風俗ではない。「金払わせてイヤラシー男を懲らしめる」(14)ためでもない。「風俗じゃないんだけどマニアックな雰囲気」の「わかる人にはわかる」「瞬時にわかる」(以上34)お店。
梨香のパワーで、頬を張られたり、技をかけられたり、あるいは着衣を交換したりしたい、おもに小柄な男性たちが訪れる場所。それが求められているし、実はいちばん求めているのは梨香本人だ。HPの名前は「パワー系個人クラブ・リカのお部屋」。
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第31回すばる文学賞受賞作と、そのスピンオフ作品を収録。
男性に技をかけて「落とす」瞬間に、どうしようもない興奮を覚える主人公が、その欲求と世のニーズを満たすために立ち上げるお店の、開店から数週間の話。
そのために筋肉を鍛え続けている梨香の、自覚されない渇きは、“自分より大柄な風俗嬢に罵られたのちにフェラチオを強制する”ことで日々のコンプレックスとフラストレーションを解消している小柄な男性、瀬川を「落と」したことで、癒される方向性を見つけるのだ。

なるほど、という感じではある。
明らかに社会一般の標準からはずれているけれど、逸脱というほどでもない、ほんのちょっとのずれ感、をうまく読ませているといえると思う。ふつーに引いてしまう人も少なくなさそうだけどw
あと、あんかけスパって、名古屋では、ふつーのOLとかがわざわざ喜んで食べに行く食べものなのかな。もっと若い世代の食べものかと思っていた。

★★★
20101010借
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