活字中毒者の乱読日記 印象批判100%
見田宗介『まなざしの地獄』
見田宗介『まなざしの地獄 尽きなく生きることの社会学』
河出書房新社、2008.11、122p、1200-

まなざしの地獄
新しい望郷の歌
あとがき
解説(大澤真幸)


初出
まなざしの地獄:『展望』1973年5月号、『現代社会の社会意識』弘文堂、1979
新しい望郷の歌:『日本』1965年11月号、『現代日本の心情と論理』筑摩書房、1971


「金の卵」として都市に流入した世代の喪失感、労働力としてのみかれらを求め、かれらが認めて欲しかったかれら自身を黙殺した都市、それらを当然必要なものとして消費した高度経済成長期、を永山則夫(本書では一貫して「N・N」)を通して、繊細に読み解く120ページ。それはまさしく、マックス・フリッシュのいうように「労働力を呼んだはずが、来たのは人間だった」ことを黙殺したがゆえの軋轢。

40年近く前の文章ではあるのだが、その先見性は際立っていて、今読んでもまったく古びない。片田珠美『無差別殺人の精神分析』を読んだ直後だったので、永山則夫が殺人に至った経緯と、かれの人生に胸が痛くなる部分も多かった。
最初に読む見田宗介、にしてもいいかもしれない。社会学って、こういうものなのだね!というような。

20100702借
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