活字中毒者の乱読日記 印象批判100%
豊田徹也『アンダーカレント』
豊田徹也『アンダーカレント undercurrent』
講談社、2005.11、2009.2、301p、933-


両親の死後、夫である悟と、お手伝いの木島のおばさんとで、銭湯「月乃湯」を切り盛りするかなえ。しかし2か月前に、夫はふいに失踪した。そぶりも見せず、書き置きも残さず。
しばらくの休業のあと、銭湯組合から派遣されてきたボイラー技師、堀とともにどうにか月乃湯を再開する。依然としてわからぬ夫の行方。しかも、夫が、かなえにさまざまな過去を教えずにいたことを、次第に知っていくことになる。

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知らなかった夫の過去。忘れていた自分の過去。下着泥棒の少年。堀の妹。
「表面の思想や感情と矛盾する暗流」(扉)の表現が秀逸。日常に隠される暗部、といった陳腐な表現では話し尽くせない機微。着々と、それはあった。あり続け、流れ続け、変わり続けた。そのことがいきなり眼前に可視化されたりもしない。ただ淡々と、底流する。その空気感。なんたる佳作。
こういうの連載できちゃうんだから、アフタヌーンってときどきすごいよなあ。

こちらでの言及も深いです。
Cause we are the ...「禍福はあざなえる縄のごとし、か?


2009.11購入★★★★


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