活字中毒者の乱読日記 印象批判100%
中村明日美子『Jの総て』全3巻
中村明日美子『Jの総て』全3巻、太田出版
1巻:2004.7初版、2007.3第4刷、164p、952-
2巻:2005.5初版、2008.4第6刷、166p、952-
3巻:2006.3初版、2008.4第6刷、176p、952-


J.S.カレンズバーグ。生まれた時の名はJ.M.オースチン。
北米の工業地帯で生まれ、幼少期に自らを女性だと思い込んで育つ。憧れはマリリン・モンロー。南部出身の敬虔なカトリックである母からは厳しくしつけられるが、技師である父には溺愛される。しかし13歳でその父に強姦されてしまう。その現場を目撃した母は錯乱して父を銃殺。母は精神病院へ、Jは孤児院へ。その孤児院に寄付をおこなっているミス・カレンズバーグの養子となり、寄宿制男子校、カレンズバーグ高等中学校へと入学した。
運命の人ポールとの出会い、先輩であるアンドルーを理解者とし、ようやく落ち着いた生活が訪れたかに見えた。Jの過去を知ったポールが自責の念からJを遠ざけるまでは。ポールに弟扱いされることを拒んだJはカレンズバーグを出奔、NYで女装のクラブ歌手として歌い始めた。
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二ノ宮知子『のだめカンタービレ』第22巻
二ノ宮知子『のだめカンタービレ』第22巻、講談社、
2009.8、188p、419-


千秋とRuiのコンサートにショックを受けたのだめは、
ミルヒーの誘いにのって、かれのロンドン公演で
コンチェルトデビュー。
演奏はとてもうまくいき、賛否こもごもあるけれど
大きな反響を巻き起こす。
しかしのだめは既に燃え尽き症候群。
「ちゃんと/正面から/向き合った/もん
 だから /もういいでしょ
 神様…」
一方千秋は、のだめのコンチェルトに衝撃を受けつつも、
デビューを事前に知らされず、コンサート後にも
避けられていることから虚脱状態に。
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うん、千秋さんも、初恋は早めにやっておいたほうが
よかったよね(笑。
千秋とのだめのふたりには、ことばによる対話が少なすぎる。

あと、たぶん作者がやりたいのであろうことはわかる気がするが、
そこまでつきあえるか、自信がなくなってきた。

★★
20090814購入、0818下書き
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中村明日美子『ダブルミンツ』
中村明日美子『ダブルミンツ』茜新社、2009.8、206p、619-

高校の同級生として出会った同姓同名のふたり。
搾取する者とされる者としての関係は卒業とともに終わった。
おとなになったある日、ふいの電話が、ふたりを再び近づける。
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中村明日美子なので買ってみた。
やっぱりびっくりするくらい線が綺麗。
内容的にはBLなのかな…全然boyじゃないんだけど
(あまり厳密なカテゴリを知らない)。
出会ってしまった半身、永遠に近すぎる。
すごい切ない話で、後日譚で救われる、みたいなとこあるけど、
ぶっちゃけそんなに深くない。設定先行かなあ。
いや、おもしろかったけど。
でも新幹線の中で読む話じゃなかったかもしれない(笑。

★★★
20090808購入
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成田美名子『花よりも花の如く』第7巻
成田美名子『花よりも花の如く』第7巻、2009.5、白泉社、
212p、400-


憲人、テレビドラマ初主演作、「石に願いを」完全収録(笑。
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ああ、この細い端整な線、書き込みの細かさ、繊細な人物描写、
『NATURAL』も買うしかない!
今さらだけどはまったぞ!

★★★
2009.5購入
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成田美名子『花よりも花の如く』
成田美名子『花よりも花の如く』白泉社
第1巻:2003.7初版、2008.7第15刷、190p、390-
第2巻:2004.5初版、2008.8第10刷、186p、390-
第3巻:2005.2初版、2008.7第6刷、180p、390-
第4巻:2006.4初版、198p、390-
第5巻:2007.8初版、197p、390-
第6巻:2008.11初版、194p、400-


榊原憲人、23歳、舞台歴20年、ペーペーのシテ方能楽師。
ほんとは「のりと」なんだけど、
家族も含めみんな「けんと」と呼ぶ。
師匠である相葉左右十郎は母方の父。
内弟子として毎日、連雀の能舞台に通っている。
混んだ電車を大荷物で乗るのは気が引けるけど、
役者が大荷物なのはしかたない。
ある日、隣に立っていた見知らぬ女性にいきなり叫ばれた。
「こ こ この人 チカンです!」
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1巻の第1話、しかもさわりまでしかあらすじ書かないけど
別にいいよね(誰に聞いている)。
実は『Natural』、1巻しか読んでないんだけど、
そんなこと関係なくおもしろい。
ごく最近まで手に取らなかったんだけど、
ふと気が向いて大人買い。

「蝉丸」の姉の解釈(「星霜を髪に戴き」1巻)、
「恋重荷」の解釈(「光る軌跡」4巻)などに、謡曲と能楽に
対する深い理解と情熱を感じるし、何より解釈の方向が似てる(笑。
話としては「とうとうたらりたらりら」(2巻)、
「大王 あん玉 あんこ玉」(3巻)、
「贈る言葉(ことのは)」5巻が際立って好き。

んーと、深い感想はもう少し経ってから書こう。
といいつつ、自分の年齢と同じ長さのキャリアを持つ人の
傑作に、何いうことがあるのやら(笑。
今はとにかく没頭するのみ。

最後に、1巻1話のチカン騒動が決着したあとの
憲人のモノローグを。とても気に入ってます。

「だって今日も あそこへ通える
 天人や幽霊 鬼や神様が 闊歩する
 三間四方の 大宇宙へ」(1.55-56)
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★★★★
2009.2下旬購入
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中村明日美子『片恋の日記少女』
中村明日美子『片恋の日記少女』白泉社、2008.1、
159p、619-(古本で350-)


父と息子とブリ大根
待ち人キタリ
娘の年頃の娘
とりかへばやで出会いましょう
原色メガネ男子標本
片恋の日記少女
みたいなメモリー

いいいよね、明日美子。
5話めタイトルは「眼鏡」のがストライクだけど、
いかにも感を嫌って、わざわざカタカナにしたのかな(笑。

★★★
2008.10.31購入
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二ノ宮知子『のだめカンタービレ』第21巻
二ノ宮知子『のだめカンタービレ』第21巻、講談社、2008.8.11
181p、400-


千秋との勉強が実り、曲への理解を深めることに成功したのだめ。
ついにオクレール先生からも本名で呼ばれるに至る。
のだめには内緒でコンクール出場を予定するオクレール先生。
一方、あまりにのだめの先手を取りすぎるためにのだめに怒られた千秋は、
ウィルトール・オケでRuiとの客演に成功。
しかしのだめは、やりたかったラヴェルのピアコンを、
やりたかった解釈で見事に演奏されてしまったために、
ピアノを続けていく気力を一気に失い、オクレール先生のレッスンまでサボ。
落ち込むのだめに、久々登場のミルヒーが声をかける。
「千秋のことなんか忘れて 僕と一緒に行きますか?」
それは悪魔の囁き。
ミルヒーのパリ公演で、ピアコンを演奏することになったのだめは以下続刊。
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まあ、相変わらずすれ違ってる千秋とのだめですが。
このふたりはあれだね、もっと会話をしたほうがいいよ。
言わなくても伝わる、と思い込んでることが多すぎるからすれ違うんだよね。
その点あんまり双方に成長ないっていうか(笑。

のんびりだけど、話は進んでるけど、なんか、もっとちゃきちゃきいけないの?
という印象は相変わらず。
作中作の『バラとプルトニウム』を、のだめが「良い感じで始まるけど」
「なかなかダイナミックに展開しなくて」「物足りなくてイライラして」
「でも最後の巻でいろんな人が出てきてどーんと物語が終わっちゃう」
「なんだか感動的に納得させられて」(20巻、165p)と評してる、
それってこの話のことなんじゃないのー?と思ってしまう。

どのコマが重要なのか、誰のセリフがあとに残るのかわかりにくいし、
大ゴマと重要度が一致してなくて混乱する。
描線が均一に見えて、画面の中の何が重要なのもわかりにくいし、
ページの中で目を引くコマってのがない。理解度が低いのかなあ。
産休の前に、もう少し進んでおいてほしいなあと思いつつ、
少し休みを取って煮詰め直したほうがいいのかも、と失礼なことも思いつつ。

まあ、自分の亀度とのだめがかぶるから、八つ当たりしてるだけかもなあ。。

★★★
2008.8購入
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中村明日美子『2週間のアバンチュール』
中村明日美子『2週間のアバンチュール』太田出版、2008.5、
204p、952-

2週間のアバンチュール−南仏
2週間のアバンチュール−修道院 前編
2週間のアバンチュール−修道院 後編
チーズトースト考
ヒメコちゃん
彼の左目 前編
彼の左目 後編
Belgian waffle


短編集。
表題作は10歳ちょいくらいの精神的に早熟な少女、アンジュが、
夏のコロニーで同室になる同い年の女の子になんたらかんたら。

ヒメコちゃん、は10年ぶりに高校の同級生と温泉旅行。
東京からは菊池くんとのび太が一緒に向かう。
駅で待つのび太の前に現れたのはショートパンツの美少女。
「菊池くん…?」

『ばら色の頬のころ』ですれ違ったジェリーとユージーンの
13年ぶりの再会、「彼の左目」。
さらにそれの後日譚の「Belgian waffle」。
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『ばら色の頬のころ』が自分的に大ヒットだったので、
新刊をためらいなく購入してみた。
毒だ!(笑 つーかエロ本だな(笑。
この残酷な細い線が、ちょっと官能的にヒットするな。
こういうロリ系な、というか幼女虐待(?)な話は、
文学や漫画やアニメなどの中でなら、かなりいけるクチ、
というかむしろ好き。←現実にいけるクチなら犯罪だって
「チーズトースト考」も地味に好き。チーズトーストおいしいよね。
「Belgian waffle」もよかったー。嗚呼アンドルー。
なかなかリアルタイムでは理解しあえないのが親よねえ。

20080515購入
★★★★
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中村明日美子『ばら色の頬のころ』
中村明日美子『ばら色の頬のころ When I was Thirteen』
2007.3初版、2007.4第2刷、太田出版、182p、952-


1950年代後半、アメリカ、私立カレンズパーク高等中学校。
アンドルーは入学早々、父親が市長であるという理由で
上級生から恐喝される。そこを救ってくれた同級生ポールとは、
まったく違う性格ながらそこそこ気が合う同室の仲間として暮らしている。
2年生に上がったとき、ポールに、父親の手紙がもたらされた。
ポールの父はポーランド人で、戦時中にポーランド国内の収容所で
死亡した。そのときに書きため、ドイツ軍に接収されていた多くの手紙が、
戦後10年以上を経て、ポールの手に届いたのだ。
動揺するポール。
そして、そのことを自身の選挙活動に利用しようとするアンドルーの父と、
アンドルーは激しく対立することになる。
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気にはなっていたけど、なかなかコミックを買うところまでは
勇気が出なかった中村明日美子。
この話はたまたま手にした「エロティクスf」で読んだことがあって、
今回新古書店で見つけて買って正解(何故か18禁カバーがけ本棚に並んでいた)。
『Jのすべて』のスピンオフ、になるのかな。
こういうことなら、他の本も読んでみていいかも。

題材自体はそんなに目新しいものじゃないかもしれないけど、
繊細で残酷な切り口が泣かせる。
細い線の描画も好み。トーンは極限まで使っておらず、
ページを開いたときの黒と白のバランスが実にいい。

★★★★、20080327購入、ブックオフで350円
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西島大介『ディエンビエンフー』(角川版)
西島大介『ディエンビエンフー』角川書店、2005、
175p、1000-


角川版は友人から借りて読む。
なるほど、小学館版よりこっちのが、
よりキッチュでポップな印象かなあ。
章のタイトルが英語であるところといい、
外界から見たベトナム、という気がする。
登場人物も少なくて、話が早いっていうか。

それでいくと小学館版は、笠かぶった犬とか、
陸軍特殊部隊とか、リアリティがあまりなくって、
絵もかなりかわいくなってて、童話っぽい。
その童話(あるいは寓話)っぽさが、
かえって怖いって気もするけど。
うーん、角川版で続きを読みたいって気持ちもあるな。

2007.12借
★★★
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