活字中毒者の乱読日記 印象批判100%
天乃タカ『誰が為に鋼は鳴る』
天乃タカ『誰が為に鋼は鳴る For Whom the Steel Tolls』エンターブレイン、2010.8、209p、620-

プロローグ トンテンカン
第一話   花の咲く庭
第二話   イバラの迷路
第三話   胸に抱くは赤い花
第四話   花咲く季節
第五話   両手いっぱいの花を
エピローグ あなたのための花


鋼を鍛える音で目覚める街。両親の離婚で、母の地元のこの街に越してきたみっちゃんは、通学路の途中で若い鍛冶職人の作業場を覗き見る。初めて見る鍛冶場、初めて聞く鋼の音。飛び散る火花に思わずことばがもれた。
「……キレイ」
キツネの面をかぶった和装の少女がかたわらで応じた。
「ほう」
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「鋼の染み渡る/火の声を」(25)が、全編を通していちばんかっこいい。プロローグでこれを読んじゃったら、続き読みたい!と思ってしまうかも。鍛冶の町というしぶい題材勝ちか。眠りについていた鍛冶場の神が、若い職人(下手くそ)の鋼の音に目覚める、というのはわくわくする設定でもある。ただなんというか、あまり予想を超えない展開。
雰囲気のある絵だがデジャヴでもある。明確な線は、潔く見えるが単調さと表裏一体だ。人物も草刈鎌も着物もりんごあめもばらの花びらも、一本調子の線で質感を捉えにくい。物語も絵も、ぺたっと、平坦なものを読んだ印象。

★★
201009購入
JUGEMテーマ:漫画/アニメ
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市川春子『虫と歌』
市川春子『虫と歌』
講談社、2009.11、238p、571-

星の恋人
ヴァイオライト
日下兄妹
虫と歌
ひみつ



4歳のとき、叔父さんの誕生日祝いに作った紙の首飾り。真ん中に星の飾りをつけようと紙を切っていた僕は、誤って指を切り落として大騒ぎになった。結局あの星は作れたんだろうか。母がフランスに留学する間、叔父の家に寄宿することになった僕は、そのとき切り落とされた指から生まれた少女に出迎えられる。星の恋人
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「ひこうき/おちたぞ」(54)山の中で気がついた未来に、同じ制服を着たすみれがいった。ふたりで手を取り合い、山を降りようとするが、あまりに道は険しく、先は長い。次第に衰弱する未来、なかなか思い出されない直近の過去。サマーキャンプに行く途中、ヴァイオライトが飛行機を包んだのだ。
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高校野球県大会決勝。ある投球を振り切った直後、日下雪輝の右腕は肩からはずれた。少年野球時代からの酷使によって関節唇が完全に摩耗し、元通りに投げられるかどうかがわからなくなった高校2年の秋。居候する伯母が経営する小道具屋の店先で、キズモノの茶箪笥の引き出しを引っ張ったら、ネジが外れてネジあてが飛び出した。拾おうと手を伸ばすと逃げる。しかも目につくたびに形を変えていく。ネジっぽくなり、提灯っぽくなり、大きくなって、脚っぽいものが生え…「世界一/怪しいやつ」(119)と思いつつ、雪輝は成長(あるいは進化?)するネジあてを受け入れ、ついには死んだ妹の名を与えるに至る。陽向(ヒナ)と名づけられた元ネジあては明確な人格とことばを得、日下兄妹は、ともに暮らし始める。
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年の離れた兄の職業は、新種の昆虫を開発すること。信じられないこの仕事によって、うたとハナの兄妹は養われている。ある夏の夜、触角と羽を持つ人型の黒い生き物が兄を襲撃した。うたの反撃で片方の触角を失った生き物は逃走するが、兄の晃はそれを、海に沈めたかつての失敗作だといった。虫と歌
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羽海野チカ『3月のライオン』第3巻
羽海野チカ『3月のライオン』第3巻、白泉社、
2009.8、191p、486-


零、年末年始を大風邪ひいて回収。
獅子王戦の敗退を受けて、広がる零の世界。
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★★★
20090814購入、0818下書き
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一条ゆかり『プライド』第11巻
一条ゆかり『プライド』第11巻、集英社、2009.7、174p、419-

萌母、神野家へ乗り込む。
ベティのワールドツアー終了、蘭丸にオファー。
深夜のウィーンで神野、史緒にワインをぶっかける。
史緒、代役でフォルクスデビュー。
なんだかんだと10日後に結婚式、全員日本に集まる。
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神野さーん…
なんていうか人生、初恋は早めにやっておいたほうがよいですね!

★★★
2009.7購入、0818下書き
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石川雅之『もやしもん』8巻
石川雅之『もやしもん』8巻、講談社、2009.7、196p、533-

ビール編。新キャラ投入。
収穫祭で出店賞を受賞した畜産科が企画した「牛まつり」を、
ムトーが乗っとってビール祭りに。
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あああ、とりあえずビール飲みたくなる巻だった(笑。
注文時に「とりあえずビール」というのは、ビールに失礼なので
やってはいけない、という教義を守るビール教の信者ですが。
主人公は、このままでいいのかもしれない気がしてきた。
狂言廻しとしての主人公もよいではないか。
しかし余白がしゃべりすぎる。
第98話の沢木の紹介文には殺意が沸きました。
テキストにないことを説明すんな! それは解釈の範疇でしょ?

★★★
2009.7購入、0818下書き
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羽海野チカ『3月のライオン』
羽海野チカ『3月のライオン』白泉社
第1巻:2008.3.5、2008.3.30第3刷、185p
第2巻:2008.12.5、191p


桐山零、17歳、五段。職業:プロ棋士
家族の事故死ののち父の友人であったプロ棋士の自宅へ、
長く内弟子として入っていたが、史上5人目の中学生プロとなり、
大きな川のそばの古いマンションにひとり暮らしを始めた。
認められたくて、愛されたくて、でもその家を出たくて、
歯を食いしばって得たプロ棋士の立場。
たどり着いた今、なんのために戦い続けるのかとふと自問し、
立ち止まってしまった。

その川を渡った三月町には、ときどきごはんをごちそうになりに
行く川本家がある。
あかり、ひなた、モモの3姉妹と、和菓子屋の祖父の4人家族だ。
長女のあかりは祖父の和菓子屋だけでなく、
ときたま銀座の叔母の店の手伝いにも行っている。
仏壇には食事のたびにごはんを供える。
祖母と母の分。
ふたりの不在の理由は明かされないが、そのことがまだ川本家に
生傷として横たわっていることを零は知る。
自分が耳を塞いで目を閉じてなかったことにした、
肉親を失った痛みだ。

自分は父が大好きだった将棋の世界にプロとして立っている。
そして本当は、身の内に獣が棲むのを知っている。
自らのすべてを賭けてなお、生き延びようとする獣が。
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実は『ハチクロ』未読。
囲碁将棋ものが好きな友人に借りて開いた途端、
ページあたりの情報量の多さにびびる(笑。なんじゃこりゃ。
どうよこれ?(笑 コマ割りもなんていうか、少女漫画だなあ。
最初引いたけど、川本家の玄関の床が、コンクリに石を埋めた
ものだったのと、『月下の棋士』になってる二海堂を見て陥落。

おもしろいがどうかで聞かれれば、おもしろいと答えるしかない。
しかし、無条件で没頭させることを拒む何かがある。なんだろう。
このコミカルな絵柄で、ものすごく重いテーマを描こうとして
いる(予感がびんびんする)ところ?
ときおり振り返られる過去の挿話が、あまりにも暗いところ?
いずれにせよ、将棋というマンツーマンで相手と強制的に
コミットしなければならない世界で生きていこうとしている
内気な零には、これからも歯を食いしばらねばならない局面が
いくつもあるのだろう。

看過を許さないけど、もろ手を挙げて賛成はできない、
といった心持ち。もちろんこれは、ほめことば。

それにしても、川本家のごはんって、鶏のからあげとカレー以外に
ないのか?(笑 あと温泉たまご食べ過ぎでは。。

★★★★
2009.1借
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・三軒茶屋 別館「『3月のライオン』が描く3つの孤独」
・たまごまごごはん「ギャルゲ脳で読み解く「3月のライオン」」
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大島弓子『グーグーだって猫である』第1巻、第2巻
大島弓子『グーグーだって猫である』角川文庫
第1巻:
2008.6初版、2008.9第5刷、初出2000.7角川書店、127p、514-
第2巻:
2008.7初版、2008.9第4刷、初出2002.12角川書店、125p、514-


うおー!!
『つるばらつるばら』『バナナブレッドのプディング』の感性で猫だ!
ペットねこかわいがり本ではなく、ちょっと客観的な、
でも愛情深いまなざしがちょー好印象(逆に引くのは須藤真澄のねこまんが)。

身辺雑記とかエッセイとかのおもしろさって、日常のどの場面を切り取るか、
という選択眼というか、そこのセンスにかかってるように思う。
早く4巻まで文庫化しないかなー。

★★★★
2008.10.18購入
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一条ゆかり『プライド』第9巻
一条ゆかり『プライド』第9巻、集英社、2008.7
183p、419-

★★★

2008.9.13購入
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荒川弘『鋼の錬金術師』第20巻
荒川弘『鋼の錬金術師』第20巻、スクエアエニックス、
2008.9.22、188p、400-


2か月も放置してしまった…反省。

さて20巻、ひしひしと佳境というのが伝わってきてよいですな。
エンヴィーの正体がむしろかわいくてどうよ。
新キャラがそれなりのポジションを獲得していきつつ、
旧キャラもそれぞれの動きを始めていく。
特にエドとアルが別行動のときに、核心に近づく事件が多い(これってキモ?)ので、
この展開は期待ができるかも。
第5研究所襲撃の際に、ホークアイから「もっと大人を信じてもよい」と
諭されたふたりが、周りをある意味巻き込みつつ、
大人と積極的に関わっていってるのは、よいことのように思う。
第83話「約束の日」の伝言ゲーム(笑)は爽快だった。

★★★
20080823購入
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オノ・ナツメ『GENTE』第2巻
オノ・ナツメ『GENTE〜リストランテの人々』第2巻、
太田出版、2008.5、170p、650-


リストランテ「カゼッタ・デッロルソ」に関わる人たちの
いろいろハートフル系第2弾。
ニコレッタがお店のドアを叩くまで。
クラウディオとフリオの邂逅、
テオとヴァンナのいろいろ、
オルガの幸せの理由を考えるガブリエッラ、などなど。

男性も女性もいやみなく描けてるあたりがすごいなあ(笑。
特に年配の女性の描き方が、とてもよいと思う。
ヴァンナはやはり女性であったか。。1巻で悩んでたんだよね。
勝手にオネエ系おじさまにしちゃってたけど、
名前aで終わるし、両耳ピアスだし、悩む必要なかったか。

さて、これで時間軸は『リストランテ・パラディーゾ』に
つながった。
3巻はやっぱり、ニコレッタとクラウディオの進展かしら♪

200805購入
★★★
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